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【#鬼滅の刃】痣の者【戦闘技能考察】

漫画「鬼滅の刃」の戦闘技能痣の者について考察する。

なお、単行本未掲載話(176話)までのネタバレを含むので、未読の方、単行本派の方はブラウザバックしていただくか、それを承知の上でお読みいただきたい。

痣の者の概要

は、かつて鬼舞辻無惨をあと一歩のところまで追いつめた始まりの呼吸の剣士たちに発現していたもの(第15巻128話)。

その形は上弦の肆・半天狗(憎珀天)曰く「鬼の紋様と似ている」とされる(第14巻124話)。

使用者と痣の形状

発現した者によって痣の形が異なる。

  • 竈門炭治郎
    上弦の陸・妓夫太郎との戦いで、額の左側の傷跡に重なるように炎のような形の痣が発現(第11巻94話)。
  • 霞柱・時透無一郎
    上弦の伍・玉壺との戦いで、額の左側と両頬に雲か靄のような形の痣が発現(第14巻118話)。
  • 恋柱・甘露寺蜜璃
    上弦の肆・半天狗(憎珀天)との戦いで、首元にハートと葉が組み合わさったような形の痣が発現(第14巻124話)。
  • 水柱・富岡義勇
    上弦の参・猗窩座との戦いで、左の頬に川の流れのような形の痣が発現(単行本未収録第150話)。
  • 岩柱・悲鳴嶼行冥
    上弦の壱・黒死牟との戦いで、両腕にヒビのような形の痣が発現(単行本未収録第169話)。
  • 風柱・不死川実弥
    上弦の壱・黒死牟との戦いで、右頬に風車形の痣が発現(単行本未収録第170話)。

番外編

発現条件

痣の発現中は体温が39度以上、心拍数は200以上にもなることが霞柱・時透無一郎から語られた(第15巻129話)。
逆に、この状態を維持することができれば、痣が発現できるとされる。

柱、あるいはそれに匹敵する高い基礎体力があればこそ痣の発現及び維持が可能であると思われる。

痣の共鳴

始まりの呼吸の剣士の一人の手記に「痣の者が一人現れると共鳴するように周りの者たちにも痣が現れる」との文言があり(第15巻128話)、その言葉通り、竈門炭治郎が痣を発現して以降、次々と痣を発現する者が現れている。

メリット

痣が発現している間、身体能力が著しく向上する。
柱でない一般隊士であった竈門炭治郎が、上弦の鬼と対等に戦うことができるほど。

また、痣が発現することによる体力消費の増大等はない。
発現し、維持することができれば、腕力、速度など、飛躍的な戦闘能力の強化を行うことができる。

デメリット

ひとたび痣を発現した者は例外なく25歳になる前に死ぬという文字通り致命的なデメリットがある(単行本未収録170話)。

上弦の壱・黒死牟によれば、25歳を過ぎて痣を発現した場合、その日のうちに死ぬ(単行本未収録170話)。

なお、黒死牟は明言しなかったが、痣を発現して尚25を超えて生き続けた者がいた模様(単行本未収録170話)。

そしてそれは耳飾りの剣士・継国縁壱であったことが分かった(単行本未収録174話)。

仮説

考察を交え、痣の者に関する仮説を述べる。

なお、既に作中で情報が開示され、正誤が立証されているものも併せて述べる。

痣を長く発現すると鬼になる(170話で誤りと判明)

全集中の呼吸について、真菰から語られた「人間のまま鬼のように強くなれるの」(第1巻5話)を受けて、これを単なる比喩ととらえず文字通りの意味で受け取ったもの。

痣の発現の前提条件が事実上「全集中の呼吸の習得」「全集中・常中の習得」になっていることから、痣の発現は、先の「人間のまま鬼のように強くなれる」が行き過ぎた状態であると考えられる。

ここから逆算して、鬼の身体能力の高さが「全集中の呼吸」の身体能力強化によるものであると仮定すれば、全集中の呼吸の行き過ぎにより鬼化する説も説得力を持つ(鬼でありながら全集中の呼吸を使う者(上弦の陸・獪岳、上弦の壱・黒死牟)が現れたことでこの説は説得力を失った)。

上弦の肆・半天狗(憎珀天)が指摘した「鬼の紋様に似ている」も、鬼化する一歩手前の段階であると考えれば、辻褄が合う。

鬼殺隊である以上好んで鬼になる者など一人もいるはずがなく、その意味でデメリットとしては絶大のものである。

もし鬼になってしまったとしても、近くに別の鬼殺隊員がいれば頸を斬らせることですぐさま処置ができ、もしいなくても、自らの日輪刀で頸を斬ればすぐに対処できるという意味で、あえて鬼化のデメリットを背負ってでも痣の力を使うことはそれなりに合理性を持つと言える。

また、珠代が鬼を人間に戻す薬を完成させたことで、このデメリットも帳消しにできるようになったため、どれくらい薬が用意できるかにもよるが、リスクを背負って痣を使用できる環境が整ったと言える。

170話にて上弦の壱・黒死牟から痣発現の代償が「25歳までに例外なく死ぬ」と語られたことで、この仮説は誤りであることが分かった

痣の形状は呼吸の適性を示す

日輪刀は、所有者の呼吸への適性によってその色が変わるが、も発現した者によってその形状がそれぞれ異なっており、それぞれの剣士が使用している呼吸の系統におおむね沿った形をしている(風柱・不死川実弥の風の呼吸⇔風車形が顕著)。

このことから、痣の形状は発現した者の呼吸の適性を示すものであると考えられる。

逆に、同じような形状の痣を持つ者は同じ呼吸への適性を持つ可能性がある。

竈門炭治郎は額に炎のような形状の痣を持つが、耳飾りの剣士、上弦の壱・黒死牟も同じような形状の痣を持つ。

始まりの呼吸の剣士と同じ形状の痣を持つことから、炭治郎が最も適性を持つ呼吸が日の呼吸であることが示唆されていると言える。

さらにさかのぼると、痣の形状と日輪刀の色変わりが同質のものであると仮定するなら、痣の形状から日輪刀の色が持つ性質を類推することが可能である。

  • 耳飾りの剣士(=始まりの呼吸の剣士)は炎の形の痣を持つ
  • 炭治郎も炎の形の痣を持つ
  • よって、炭治郎は耳飾りの剣士と同じ呼吸に適性を持つ
  • 耳飾りの剣士(=始まりの呼吸の剣士)は日の呼吸に適性を持つ
  • よって、炭治郎も日の呼吸に適性を持つ
  • 炭治郎の日輪刀は黒刀である
  • よって、黒い日輪刀は日の呼吸に適性を持つことを示す

と言える。

産屋敷家当主の病は痣の者の最期と同じ

痣の者は25歳になる前に死ぬ」ことが明かされたが、「いつ」「どのように」死ぬかは示されていない。

産屋敷家当主は代々短命で、30年と生きられない(第16巻137話)。
当主産屋敷耀哉は享年23歳で、痣の者の死期と近い(第16巻139話)。

産屋敷家に代々伝わる呪いは、強制的に痣を発現する者と同じ状態(体温39度以上、心拍200以上)にするものであり、痣の者の最期もまた、産屋敷家の病と同じものによるものであるとする仮説。

この説は、痣の力が鬼にならずとも鬼の力と同質のものであるという仮定に基づくものであり、無惨の力もまた痣の者の力と同質であるということを導く。
ある意味「痣を長く発現すると鬼になる」仮説と同系のもの。

鬼舞辻無惨は鬼となり強い力(鬼の力=痣の力)を得ることになったが、産屋敷一族は鬼とならずに強い力(鬼の力=痣の力)を継承したために、人間の体がそれに追いつかず、体を蝕まれ、短命に終わっていると考えられる。

産屋敷一族には痣が発現していないが、これはそれに耐えうる基礎体力を持ち合わせていないためで、その反動が病という形で表出していると推測される。
あるいは、病で変質した皮膚が、本来は痣として発現するべき部分であった可能性もある。

一方、痣の者は産屋敷一族とは違い病は患っておらず、痣が発現している。

痣の者は25歳に近づくにつれて徐々に痣が発現しなくなり産屋敷一族のような病に姿を変え、最後には死に至ると考えられる。
あるいは逆に、25歳に近づくにつれて痣の発現が広がって止まらなくなり産屋敷一族のように皮膚が変質し、死に至るのかもしれない。

なお、この仮説の基礎になる「鬼の力=痣の力」が真の場合、珠代が完成させた鬼を人間に戻す薬により、痣の代償による死を回避、もしくは先延ばしにできる可能性がある。

痣の共鳴は病の伝染と同じ

「痣の者が一人現れると共鳴するように周りの者たちにも痣が現れる」ことが始まりの剣士の一人の手記に記されている。

これを単なる偶然とせず、何らかの原因によるものとする仮説。
「産屋敷家当主の病は痣の者の最期と同じ」仮説と近似のもの。

痣の者が現れる時期が近いのは、単に痣の力を必要とするような激しい戦いがあるからであると考えることもできるが、短期間に複数人が同時に痣を発現するのはいささか出来すぎている

痣の発現をある種の病とし、一人が発現したらそれが他者に伝染することで、連続的に痣の発現が起こっていくと考える。

痣を病と見立てることで、発現の条件である体温39度以上、心拍200以上という症状、25歳までに死ぬという強烈なデメリットも、ある意味当然の結末であるとみなすこともできる。

「産屋敷家当主の病は痣の者の最期と同じ」仮説を前提にした場合、産屋敷家当主と接する機会の多い柱に集中的に痣が発現していることとも符合する。
もっとも、これは柱の実力が高いからである可能性の方がはるかに高い。

25歳を超えて生き続けた痣の者

岩柱・悲鳴嶼行冥上弦の壱・黒死牟との会話の中で見抜いた例外。
黒死牟の動揺からしてどうやら事実である模様。

痣を発現し、25歳を超えてもなお生き続けた者が誰であったかは明かされていないが、おそらくこの人物こそが黒死牟が鬼になる最大の動機となった人物であると推察される。

黒死牟は
「これ程までに…研鑽し極められた肉体と技が…この世から消えるのだ…嘆かわしいと思わぬか…」
「鬼となることで肉体の保存…技の保存ができるのだ…」
と語っている(単行本未収録170話)。

このことから、人間のころに痣を発現して死に近づいた時、痣を発現しながら25歳を超えてなお生きる者を目の当たりにして、己の肉体と技だけが不公平・不平等に失われることを強く嘆き、鬼になったと推測される。

始まりの呼吸の剣士の一人の手記にもわざわざ「25歳になる前に例外なく死ぬ」ことが記されていたことから、この手記の筆者は黒死牟本人である可能性が高い。
そうでなければ、黒死牟が語った手記の内容一致するのはおかしい

また、25歳を超えても生きられる者の存在をわざわざ隠蔽していることから、その存在が黒死牟にとって何らかの不都合を生じるものであることも予想される。
もちろん、単純に痣の者の発生を抑止するためだけに書いた可能性もある。

痣を発現してなお25歳を超えて生きられる条件はわかっていないが、一人これに該当しうる者がいる。

竈門炭治郎の父・炭十郎である。

炭治郎の年齢をどう逆算しても、炭十郎の享年は25歳よりも年上であったと考えられる。
炭治郎によれば、炭十郎は生まれつき額に薄い痣があったとのことで、これが25歳を超えても生きられる条件の可能性がある。

この薄い痣が炭治郎たちに発現している痣と同じものであるかは不明だが、もし同じものである場合、炭十郎は痣を発現してもなお25歳を超えて生き続けた例外の一人ということになる。

元柱・煉獄槇寿郎によれば、「日の呼吸の選ばれた使い手は生まれつき赤い痣が額にある」とのこと。
炭十郎の例と合わせて考えれば、日の呼吸の選ばれた使い手は、痣の発現にもかかわらず25歳を超えても生き続けられるということになる。

生まれつき痣を持つ者は、痣の力に生まれながらにさらされていて、それに適応することにより25歳になっても生き続けられるのではないかと考えられる。
痣=病の仮説に基づくのなら、病に適応し、免疫を持ったということができる。

また、別の話の例外で、黒死牟が「稀に無惨の血を受けても鬼にならない体質の者がいる」(単行本未収録145話)と語っている。

「産屋敷家当主の病は痣の者の最期と同じ」仮説のもとになる「痣の力=鬼の力」説を支持するなら、

  • 無惨の血を受けても鬼にならない
  • →鬼の力に耐性を持つ
  • →痣の力に耐性を持つ
  • →生まれながらに痣を持つ
  • →日の呼吸の選ばれた使い手である

という図式が成立する。
呼吸を使う剣士が鬼になる場合、より多くの血と時間が必要になるのも、呼吸により鬼の力を日常から行使していることが理由であると考えれば、不思議はない。

黒死牟が語った「無惨の血を受けても鬼にならない体質の者」とは、日の呼吸の選ばれた使い手であり、同時に痣を発現してもなお25歳を超えて生き続けた者であると考えられる。

追記:25歳を超えて生き続けた痣の者の正体

黒死牟が語らなかった25歳を超えて生き続けた痣の者は双子の弟、耳飾りの剣士・継国縁壱であったことが明かされた(単行本未収録174話)。

25を過ぎて60年以上経過して初めて25歳を超えて生き続ける者の存在を知ったことから、手記の筆者は黒死牟自身でない可能性も出てきた。

縁壱が生まれながらの日の呼吸の使い手だったかどうかは定かではないが、竈門炭治郎の父・炭十郎と同じように生まれながらに額に薄い痣があった可能性は否定できない。

さらに、黒死牟の記憶にある幼い日の縁壱には、既に額に炎のような痣を発現しているのが見て取れる。

これが炭十郎の額にあった薄い痣と同質のものであるのかは不明だが、もしそうであるなら、生まれながらに痣者であるという常軌を逸した人間であると言える。

もっとも、黒死牟を圧倒する実力、赫刀の発現者であること、痣の者であること、全般的に規格外の存在であり、黒死牟をして「神々の寵愛を一身に受けている」と評するほどの存在であることから、単に「縁壱だから長生きできた」と言われても不思議ではない。

総評

痣については、伝承の途絶もあり、作中でもかなり情報が少ない謎めいた存在であるが、考察を進めれば進めるほど、鬼及び鬼舞辻無惨との関連が深く疑われる。

大本をたどれば真菰が言った全集中の呼吸の「人間のまま鬼のように強くなれる」発言、最近では上弦の肆・半天狗(憎珀天)のモノローグ「鬼の紋様に似ている」から、鬼及びその力との関係性が示唆されている。

170話で明かされた痣発現のデメリット「25歳になる前に死ぬ」が、産屋敷一族の寿命「30年と生きられない」と近いことから、産屋敷一族にかかった「呪い(病)」との関連性も疑われる。

この「呪い」が、一族から鬼舞辻無惨という鬼を出したことによるものだと産屋敷耀哉は語っているが、鬼となった無惨から産屋敷一族に遺伝したものであると考えると、この「呪い」が鬼由来のものである可能性は否定できない。

「呪い」が痣のデメリットと同質のものであるとすると、痣もまた、産屋敷一族の「呪い」と表裏一体の存在である可能性が浮かぶ。
すなわち、痣の力が産屋敷一族の「呪い」をデメリットとする鬼の力そのものであるという可能性がある。

痣の共鳴についても、痣が「呪い」と同質のであると考えると、「伝染」という形で広がっていくことにも説明がつく。
発現条件である体温39度以上、心拍200以上という状態を鑑みても、病という表現は的確であると言えよう。

痣による死については例外がいたとのことだが、この例外については、痣が病であると仮定した場合、病に対して免疫を持つ者がいたということになる。

生まれた時から痣が発現しているものであれば、痣の起こす影響に対して体が十分に慣れており、免疫を持っていてもおかしくない。

日の呼吸の選ばれた使い手は生まれながらに痣を持つので、痣が発現しても25歳までに死なずに済む可能性は高いと言える。

明かされている情報が少なく、推測に推測を重ねた形になってしまうが、鬼との関連性について、これから作中で明かされる情報に注目である。

特に、現在戦闘中の上弦の壱・黒死牟が痣の更なる秘密を握っていると思われるので、一層目が離せない。


鬼滅の刃 16 (ジャンプコミックス)